NETIS 国土交通省新技術情報提供システム 登録番号KK-200034-VE

ドローン用レーザースキャナシステム -TDOT 3-

FEATURE

TDOT 3 の特徴

TDOTシリーズはNETIS推奨技術に認定されました

NETIS(ネティス)とは

NETISとは、国土交通省が運用する新技術の活用のためのデータベースのことです。

NETIS技術を活用するメリット

施工者がNETIS登録された技術を活用すると以下のメリットを受けることができます。

公共工事入札時における総合評価方式で加点の対象になり、技術評価点が向上します。

価格と技術提案の優劣を数値化して落札者を判定する「総合評価落札方式」において、NETIS登録技術を採用した技術提案を行うことで技術評価点の向上が見込めます。

完成後の工事成績評定点が向上します。

NETIS登録技術を活用した施工を行った場合、工事が完成した段階で発注者より採点される工事成績評価定点の加算対象になります。
施工コスト縮減や工期短縮の実現など、質の高い施工成績を残すことで次回入札で有利となる評価につながります。

NETIS推奨技術。TDOTは推奨技術に認定。

ドローンレーザーによる測量ソリューションを
実現する時代が到来

水に吸収されにくいグリーンレーザーを照射する TDOT 3 を使えば、地上から水面下の3次元地形をシームレスに可視化できます。
TDOT 3 は、フライトによる測量の実施から、3次元データによる成果物の作成までをワンストップで提供します。
山間部の地形だけでなく河床や沿岸域、あるいは豪雨直後の被災地の状態が把握できる測量ソリューションツールです。

PLATFORM

誰もが簡単に測量ができる
コンセプトを実現させる
統合プラットフォーム

レーザースキャナシステムは数多くの精密なデバイスから構成されており、それらの一つ一つを最適な状態に設定する作業を行うことは容易ではありません。 また、専門的な知識がない場合、高精度な成果の出力に至るまでには、数多くのトライ&エラーを繰り返しながら作業手順を習得する労力が必要です。 これらオペレータに要求される複雑な使い方が、ドローンレーザー測量の普及を妨げる障壁になっていると言っても過言ではありません。

TDOT 3 では、誰でもその性能を最大限に引き出すためのプラットフォームが提供されます。 このプラットフォームは、例えば飛行ルートの入力作業と同時に測量前後のアライメント飛行を実施させる機能や、簡単なドラッグ&ドロップ操作をするだけで、対応する電子基準点のデータをダウンロードして、ただちにINSデータと組み合わせて自動的に最適軌跡解析を行う機能などを備えています。このような測量サービスのノウハウを盛り込んだ当社のプラットフォームを使うことにより、誰でも簡単に正確な3次元座標をもつレーザー測量が実施できます。

1.現場でのスキャニングと取得データのプレビュー表示

2.クラウドサービスによる電子基準点や固定局を利用しての最適軌跡解析

3.解析結果を紐づけ点群データを出力

GREEN LASER

かわりのきかない光、
グリーンレーザー

一般的なドローンレーザー測量では近赤外域(905nm)のレーザーを用います。 近赤外線レーザーは、安価で扱いやすい半面、水に吸収されやすく、また黒い物体での反射率も低いため、水面下の地形だけでなく地面の状態によっては地表面のデータが得られないことがあります。

TDOT 3 GREEN は緑色域(532nm)のレーザーを照射するので、このような近赤外線の弱点を克服できます。
もちろん近赤外線レーザーと同じ測量も可能なので、TDOT 3 GREEN 1台で、陸上と水中の両方の地形測量が可能となりました。

レーザーの波長

TDOT 3 GREENの取得可能範囲:山林・陸地、河川域、浅海域

TDOT 3 GREENによる浅海域の測量データ

TDOT 3 GREEN によるグリーンレーザードローン測量は、河床や海底地形(理論値で水深13.5m)の測量だけではなく、豪雨による被災地における濡れた地面や斜面あるいは造成地やアスファルトといった黒い表面をもつ対象物など、これまでの近赤外線レーザーでは困難であった測量においても威力を発揮します。 特に迅速な復旧のために、緊急を要する被災地の調査と被害査定が求められる場面での活躍が期待されています。

取得範囲比較
ぬれた路面イメージ

Suitable beam diameter

レーザー測量に適したビーム径

ドローン用レーザーの多くは、自動運転用に注目されているLidarと言われる車載レーザースキャナモジュールを流用したものとなっています。 こうしたレーザーモジュールは近くの障害物や人を見つけるためのものなので、レーザーのビーム径はとても広く、距離データについても精度が重視された設計になっていません。 またビーム径が広いのでレーザーを照射している箇所が曖昧となり、データの正確性が損なわれます。

TDOT 3 のレーザースキャナはドローン測量専用に開発されたモジュールです。 測量用としてのモジュールは、周囲の物体を検知するものではなく、可能な限り遠くのものを高精度に測るものになっていることが必要です。 TDOT 3 のレーザー光は、測距の精度が車載用の数センチオーダーではなく数ミリオーダーであり、また100m先でも直径15cmにしか拡がらない(1.5mrad)性能を有しており、150mの上空から微細な地形を捉えるのにも適しています。 ドローン用の軽量なモジュールであっても、レーザー測量には高精度化のために必要な性能を備えたモジュールが必須であることは言うまでもありません。

ビーム径の違い
拡がり角による誤差

FOV

ドローンレーザー測量に適した90°の視野角

TDOT 3 の設計で最も重要視したのはFOV(視野角)です。この視野角を90°に決定したのは次の理由からです。

図1:ドローン姿勢による精度

精度

ドローンレーザー測量に求められるのは標高の精度です。 水平位置の精度も大切ですが、データの用途を考えると標高精度はとても重要です。TDOT 3 は図1のように、ドローンの機体の直下の制限した範囲をスキャンするようになっています。 標高値の測量精度は、GNSSがもつ精度にレーザーの測距精度を加えたものとなりますが、スキャン角度が鉛直方向から離れるほどレーザー照射時の姿勢の測量精度が標高の精度に大きく影響します。 そこでFOVと言われるレーザー光のスキャン範囲(視野角)を図のように緑のラインに制限し、姿勢の測量精度の影響が少ない標高値を得ることを重視しています。

図2:45度の場合、取得範囲が狭く急崖斜面の取得が困難。図3:90度の場合、取得範囲が広く急崖斜面の取得ができる。

データ取得範囲

FOVはデータ取得範囲に影響します。 図2は急斜面を測量する事例で、FOVが45°の場合を、図3にはFOVが90°の場合のデータ取得範囲を表します。 FOVを狭くするほど、急崖の側面を測量することが難しくなります。 また図4は河川測量の事例で、FOVが90°あれば、橋梁の横を飛行することで、橋梁下のデータを取得することも可能です。 このように実用面のことを考慮した設計になっているのが TDOT 3 の特徴です。

軽量化

データの精度や取得範囲を考えた測量を実施する場合、機体の周囲360°をスキャンするものを利用して、後から機体直下の範囲だけを抜き出しても対応できます。 ところが、このレーザーモジュールでは機構が複雑になるために重量が増加してしまいます。 機体直下のレーザー点群密度は、周囲360°をスキャンするものと同じながら、できるだけ限られた範囲をスキャンする方がモジュールの重量は軽くなります。 機構を簡略化することで軽量化を図っている TDOT 3 により長時間の測量が実現します。 このようにドローン測量のための専用設計がFOVに反映されています。

図4:橋梁に沿ってフライトしたデータ。高架下が取得できている。

軽量化イメージ

WEIGHT SAVING

フライト時間・安全性・利便性に直結する軽量化を実現

ドローンはバッテリーで複数のプロペラを駆動して飛行します。 ペイロード無しでは数10分のフライトが可能ですが、搭載するものが重くなれば、ドローンは大型化すると同時にフライト時間が短くなります。 短時間しか飛ばせないドローンはバッテリーの消費も早いので、それだけバッテリー切れによる墜落のリスクが増すので危険です。 また現地で頻繁にバッテリーを交換する作業が発生してしまっては、ドローンの利便性を生かすことができません。

軽量でコンパクトなレーザースキャナであれば、小型のドローンに搭載することができ、長いフライト時間を確保できます。 広範囲の測量でもバッテリー切れの心配が無く、より便利な個所を離着陸の地点に選ぶことができるので、フライトに伴う危険を大幅に低減できます。  当社は「誰もが使えるドローン測量」を目指し、有人の飛行機でしかできなかった航空レーザー測量を、ドローンを使ってできるようにと、2013年にドローン専用レーザーシステム「TDOT」を開発して販売しました。 それは近赤外線レーザーを用いるもので、1.8㎏という軽量のスキャナを実現させました。 そのノウハウを導入することで、軽量化が困難とされたグリーンレーザースキャナシステム「TDOT GREEN」を2017年に開発し、2019年には販売を開始しています。 光ファイバーによる変調技術などの工夫を取り入れ、その重量はわずか2.7kgです。 高機能でありながら極限まで切り詰めた軽量化技術は、業務におけるフットワークの向上をもたらします。

INS

より高い測量パフォーマンスの実現へ
ドローンの位置や姿勢計測の精度
データ出力レートを向上させた高性能INSを内蔵

レーザー測量では、レーザー光がどれだけの時間をかけて戻ってきたのかを1秒間に何万回も計算しなければなりません。
その際、レーザーの照射位置はGNSSで測りますが、GNSSは1秒間に数10回しか測ることができず、それだけでは対象物の位置に大きな誤差が発生します。 またレーザー照射角度の測定誤差に対象物までの距離を掛けた大きさに相当する位置のズレを発生させます。 つまり対象物が遠いほど、レーザー光の照射角度の小さな誤差によって、対象物の正確な座標を知ることができなくなります。 そこで、加速度計でドローンの動きを捉え、ジャイロセンサで時々刻々と変化するドローンの姿勢を検出します。 これらIMU(慣性計測装置)とGNSSを組み合わせたものはINS(慣性航法システム)と言われお互いの長所を活かすことで、高精度の測量システムが完成します。 TODT 3 のINSは、1秒間に何万回のレーザー照射をしながらも、数10mmのレーザー測量を実現させるためのスペックを備えています。

REAL TIME DATA DISPLAY

測量中のデータをリアルタイム表示

測量中のデータをリアルタイムに見ることができます。 例えば、対象物の断面を表示させることで、樹木が繁茂する場所での植生下の地表面データの取得状況、水部では水底までの到達状況をフライト中にリアルタイムに確認することができます。 これにより、測量が計画通りに実施できているのかをその場で確認することができ、手戻りの無い効率的な測量作業が実施できます。
※ 測量中の断面データの閲覧には、ドローンにHDMIに接続できる画像伝送装置が搭載されている必要があります。
DJI社のMatrice300RTKの場合にはDJI SkyPortを通じて閲覧することが可能となります。

TDOT 3 ステータスをディスプレイ表示

レーザーの波長

以上7項目の状態をリアルタイムに閲覧できます。
※海外では対応しておりません。

TDOT 3 ステータスをディスプレイ表示イメージ