2018年4月11日大分県中津市耶馬溪町大字金吉の梶ケ原地区において斜面が崩壊する災害が発生しました。
災害で被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、弊社の所有する技術が、被災状況の把握ならびに今後の復旧に少しでもお役に立てれば幸いです。
2018年4月16日 災害現場にてドローンによるレーザー計測を大阪市大・原口研究室との共同で実施しました。
中津耶馬溪ドローンレーザー計測
中津耶馬溪ドローンレーザー計測 簡易断面表示
中津耶馬溪 4K動画
中津耶馬溪 4Kインターバル静止画
約1時間のドローンレーザーデータと現地観察、HPで公開された航空測量各社の計測データを参考に予察的な検討結果の概要をまとめた。
データを解析中であり、今後変更されることもありうる。
崩壊メカニズム
- 斜面中部の溶結凝灰岩部が抜け出すように滑り出し、斜面下部の表層部を巻き込んで崩壊し、直下の民家を崩壊土塊が覆ったとみられる。
- 崩壊の引き金は通常、地震動や降雨があるが、今回は直接の外的要因がない。
- 対象斜面が限界状態にあったと見られるが、素因は地層構成と急崖斜面、地下水環境等と遠因として地震動や先行降雨があると見られ、今後の調査が必要。
不安定化の背景
- 周囲の斜面には、過去(数百年~数千年オーダー)崩壊が繰り返され、その結果斜面が後退した跡が明瞭に見られる。
- 当該斜面は、周囲より突き出た尾根部の先端で発生しており、不安定化していたと想定される。
原口 強(大阪市立大学理学研究科)