海岸・港湾及び砂防事業における深浅測量の効率
(TDOT3 GREENによる水面下三次元化により大幅な効率化事例)
株式会社 ダイワ技術サービス
https://www.d-ts.jp/
使用機材:TDOT 3 GREEN DJI Matrice350RTK
TDOT PROCESSING PRO UNDERWATER CORRECT
記事掲載日:2025年2月4日
国土地理院17条申請時の実証実験により、測深性能を検証し、活用方法を最適化
公共測量としてUAVグリーンレーザ測深を実施する場合、マニュアル整備、精度検証等を行った上で新技術の活用としてあらかじめ国土地理院へ申請を行う必要がある。そのため、弊社では宮城県本吉郡南三陸町志津川の漁港において、測深能力実験と精度検証を実施した。【画像1】
検証方法は防波堤天端に水準測量により調整点を設置し、防波堤直下位置をロッドにより計測した結果とレーザ測深結果とを比較検証した。【画像2】
【画像1】実証実験概要
【画像2】実証実験概要
実験結果は、計測点14点中5点は捨石等により誤差が発生したものの、砂地箇所では良好な結果となった。計測水深性能も最大6.1mまで計測を確認しており、透視度と濁度が良好であれば十分な計測性能を有していることを確認した。【画像3】
砂地で比較的フラットな箇所については、0.1m程度の実測較差となっており、河川深浅測量などでも十分な精度を有することを確認した。(実験時水質 濁度0.4 透視度100以上)その後、数回の河川計測などを実施した結果、【画像4】に示す結果が得られた。濁度1以下から計測可能水深が大幅に増える傾向にあることが判明した。また、透視度100以上であれば概ね1mの計測が可能であることを確認した。
【画像3】実証実験結果
【画像4】濁度と計測水深グラフ
成果の意義
この実証実験結果から、UAVグリーンレーザ測深の有効な活用方法を検討し、港湾事業や渓流域で実施される砂防事業などに適性があると判断した。
現在では波浪状況などを事前確認し、濁りの少ない時期の港湾浚渫事業の深浅測量として活用すると共に、砂防事業の渓流域地形測量及び堆砂域縦横断測量の観測手法として活用している。
メリット | 船舶作業などに依存しないため、実施が容易で且つ安全性が高い。 作業時間の大幅な削減だけで無く、縦横断測量も三次元点群により実施可能。 | |
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デメリット | 水質に対する依存度が高いため、濁りがある現場では測深出来ない場合がある。 広域な計測については、航空レーザ測深の方が安価で実施可能。 |
港湾活用事例 水深6m越えの航路を計測し、NMB測深を不要とした例
砂防事業計測例
砂防事業堆砂域縦横断例
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